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次々と麾下の部隊は倒れていく…。
正面突撃の作戦を取ったことが原因であることは、誰がみても明らかだ。 だが、司令官である姥貝大将は眉一つ動かさずにじっと戦場を見据えている。 そう、正面作戦は陽動に過ぎない。 迂回路を進む2部隊、横線連隊と青線連隊が目標に到達しさえすれば勝利は確実なのである。 散っていった正面の海道連隊と根岸小隊には気の毒だが、戦さにおける勝利は、戦略目標を制することに他ならない。 「名誉の戦死だぞ…」 今は亡き2部隊の将兵に対し、姥貝大将は低く、しかし、腹の底から生ずる声でつぶやいた。 そう、勝利は近いのだ。 司令部の空気を変えたのは、通信兵の叫び声であった。 「横線連帯からの通信が途絶えました!あ、青線連隊は、撤退を…いや、転進をしております!」 じっと重い、しかしながら勝利を確信していた司令部は、蜂の巣をつついた様な騒ぎに包まれた。 蒼白の参謀が姥貝大将にすがるように訪ねた。 「閣下、どうしますか…、撤退か、それとも…」 言いかけた参謀へ、姥貝大将は叫んだ。 「死守せよ!!」 |
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